【川崎南部】アウトロー・サウスサイドの不良文化とは【音楽】

今回はBAD HOPにとって
切っても切れない関係にあるアウトローやヤクザについて。

ヤクザが地域とのつながりが強いという意味でも
まずは川崎という街について学んでいく必要がある。

川崎市について

今や全国区で悪名高い川崎市という街は2つの側面を持っていて
ベッドタウンまたは重工業地帯という対照的な印象を持つ人や
閑静な郊外または刺激的な繁華街という印象を持つ人もいる。

これは以前YZERRがドキュメンタリーでも話していたが
川崎市の北部と南部の話に繋がってくる。

ただ北部と南部とあるが横長の形をしているため
西部と東部と呼んだ方が正しいかもしれない。

しかし川崎市民は北部と南部という区分を用いることが多く
サッカー選抜でも北部選抜と南部選抜で分かれていたりする。

川崎南北問題

川崎の南北地域を区ごとに分類すると以下の通り。

南北問題

  • 川崎市
  • 北部:多摩区麻生区宮前区
    南部:川崎区幸区
    中立:中原区、高津区

この南北問題は音楽カルチャーにも色濃く出ており
多摩区出身の小沢健二は自身を川崎ノーザン・ソウル(川崎北部の無気力人間)と呼んでいる。

日本のサブカルチャーの文脈が結合したオモロ・ラップを提唱したスチャダラパーも川崎北部出身である。

一方で川崎南部はSCARSにBAD HOPのように
西海岸のカルチャーが染みついたギャングスタラップが目立ち
シカゴのサウスサイドと重ね合わせた川崎サウスサイドを提唱している。

それでは川崎という街の背景がわかったところで
本題のアウトローな部分に踏み込んでいこう。

川崎南部アウトロー

川崎南部のアウトロー事情については
サイゾーにて詳しくまとめられている。

もちろん、川崎区にもベッドタウンとしての、あるいは平穏だが退屈な郊外としての顔がある。恒例のハロウィン・パレードを見物するために川崎駅に降り立った人々の多くは、この街のもうひとつの顔には気づかないかもしれない。しかし、川中島や池上町といった、中心地から離れた、さらに南部の地域で生まれ育ったBAD HOPのメンバーたちの身体を埋め尽くしているタトゥーは決して仮装ではないのだ。そんな彼らにとって身近なのは、同じ市内の北部よりも、むしろ、重工業地帯としてつながっている横浜市鶴見区かもしれない。また、その身近さは敵対という形をもって表現される。

サイゾー

横浜市鶴見区というワードでピンときたヘッズもいると思うが
元メンバーのAKDOWから川崎周辺地域のしがらみについて知ることができる。

「14でSmoke Weed/15で刺青/16で部屋住み」(「Stay」より)。AKDOWと名乗るラッパーのそんなラインでは、彼の激動の10代半ばが端的に歌われている。そして、鶴見で生まれ育ち、中学生のときに暴走族に加入し、卒業と同時に地元の暴力団の部屋住み(見習い)を始めるにあたって、40万円をかけて肩を和彫りで埋め尽くした彼が、今、川崎駅に程近いゲームセンターの駐車場でハンドルを握る拳に刻み込まれているのは“B・A・D・H・O・P”という6つのアルファベットだ。

サイゾー

BAD HOPのメンバーとAKDOWが大きく違っていたところが
タトゥーではなく和彫りをしているところにあった。

メンバー内でも最も本職に近かった人物がAKDOWだったと言える。

「川崎と鶴見って昔からモメてたんですよ。鶴見でコルクかぶってもいいってことになっても(コルク製ヘルメットが暴走族の定番であることから、チームに加入する許可を得るという意味)、『川崎には絶対入るな』って言われましたし。ただ、東京に行くには川崎を抜けないといけないんで、そのときは普通のヘルメットも持っとくか、信号で止まらないで突き抜けるかっていう。横浜ナンバーが見つかったら、地元の不良がすぐ追っかけてくるんで。だから、川崎には良いイメージがなかったですね」

サイゾー

セットにされることの多い川崎と鶴見も
対立関係にあったというのが実情みたいだ。

過去にAKDOWは情報詐欺薬物売買に関わっていたが
あるトラブルから潜伏生活を余儀なくされたという。

当時17歳のAKDOWが生活の地に選んだのが他でもない川崎だったようだ。

「潜伏中は、遊びに行ける場所も限られてて。そんなある日、地元の友達でDJをやってたヤツが、川崎のクラブにゲストで呼ばれたって言うんで、一緒なら大丈夫だろうってついていった先がBAD HOPのイベントだったんです。もともと、ヒップホップは好きじゃなかったんですけどね。赤玉(睡眠薬エリミン)食って、サイケ(デリック・トランス)でぶっ飛んでるような人間だったんで(笑)。でも、友達が(BAD HOPの)T-PABLOWにオレを『こいつ、何もしてないんだよ』みたいな感じで紹介してくれて。そうしたら、PABLOWが『よかったら、ラップしてみませんか?』って。で、楽勝だろと思ってやってみたら全然できなくて、『なんだこの難しさは』ってハマっていきましたね」

サイゾー

アウトローの次は本職ヤクザの話へと続く。
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